2018年1月4日にキックオフしたこの日本対ドイツの一戦。
今度こそクライマックスを迎えるのでしょうか?
現在のスコアは6-5で日本1点リード。
延長後半6分の時点まで進んでいます。
なお、この試合のこれまでの展開について、説明した表が掲載されていました。
若林の負傷も、三杉の幽体離脱も遠い昔のことのように思われますね……
第112話 奇襲返し!!
前回、三杉からのロングパスを受けて抜け出した日向と新田。
翼と岬がフォローにつきます。
日本のトリカゴ作戦はフェイクだったか!とドイツイレブン。
それに対し、作戦成功だと意気上がる日本イレブン。
「このチャンス、絶対決める!エースらしく俺がハットトリックを決めて、この試合を締めくくってやる!」
と、自らをエースと断言した日向が、正真正銘の雷獣シュートを放ちます。
しかし、後方から懸命に戻ったタイガーボランの長い脚がこれを防ぎます。
正真正銘の雷獣シュートをパクられ相手に止められるとは皮肉です。
ボールはふたりの脇にこぼれました。
そこにいたのは新田。
彼もまたハットトリックの権利を持っていました。
「ハットトリックを決めるのは俺だ!」と得意のジャンピングボレー。
しかし、今度は距離を詰めていたミューラーが右手一本でこのシュートを弾き返します。
ですが、今度は空高く舞ったボールの落下点に翼と岬が走り込んでいます。
「ま、まずい!」と冷や汗を流し、大口を開け、焦るシュナイダー。
日向や新田も「これで決まりだ。ハットトリックを決めるのは翼だった」と納得の表情。
この試合3本目の例の必殺技が炸裂しようとしていましたが、ドイツはただひとりこのシュートのコースに飛び込んだ男がいました。
影のキャプテン、カルツです。
翼と岬の間にシュナイダーのときと同じように垂直ジャンプで飛び込み(回転している翼、岬より早く飛べる)、至近距離からゴールネットを突き破る威力のシュートをまともに胸?腹?で受け止めます。
しかし、カルツのアバラはボキという音を立て、さらに鮮血が吹き出しました。
口からではなく、脇腹から血が出るということは開放骨折でしょうか?
カルツ決死のブロックでしたが、運悪くまだボールは生きています。
そのボールをキープしたのは翼。
ミューラーが回り込みますが、間に合うのでしょうか?
ですが、うずくまるカルツを見て、翼はプレイを止め、ボールをサイドラインに蹴り出したのでした。
かつてレヴィンが見せたようなフェアプレイです。
動かなくなったカルツの元にドイツイレブンが駆け寄ります。
意識はあるものの「さすがに大丈夫じゃねえな」と話すカルツ。
若林のときと同じように担架ではなく、緊急車両が呼ばれたのでした。
第113話 正々堂々!!
緊急車両がピッチに入ります。
その様子を見た観客席から「これは日本式に言うところの”かたき討ち”ってやつだよ」という声が。
つまり、日本は若林を負傷退場させられた報復を翼がカルツを同じ目にあわすことで成し遂げたのだと。
観客の声は歓声よりも大きかったのでしょうか?
その声が翼に聞こえます。
「違う、違うぞ!」と熱くなって反論を始めます。
「サッカーは相手を傷つけることを目的としたスポーツじゃない! 断じて、そんな競技じゃないんだ! 俺たちはそんなことを目的としてプレイしたことなど一度だってないんだ!」という叫びでした。
えーと、レヴィンの殺人シュートはどうだったのかな……?
「サッカーは格闘技だ!」と言っていたのは誰だったかな……?
ブンナークやギロッポンコンビのプレイは……?
志水の川上が若林を潰したプレイは……?
サッカーサイボーグ時代のサンターナのプレイは……?
と、まあ、そんなところも思いつきましたが、翼の熱い語りは続きます。
「若林くんが負傷をしてしまったのも不可抗力!」
「両チームが全力を尽くした結果!」
「シュナイダーだって、若林くんにケガを負わすためにプレイしていない!」
「俺だって、どうしてもゴールを奪いたいから必死で……」
というような内容でした。
何語で話しているのか、どの程度の声のボリュームかは相変わらずわかりませんが、その言葉に特に感銘を受けていたのがミカエルでした。
彼は、以前、幼馴染のプレイヤーの目を失明させた経験があるので、特に響いた模様です。
前のページでは「翼」と呼び捨てにしているのに、次のページでは「翼くん」と呼び、扱いを1ランク上げています。
興奮する翼を抑えたのは日向。
「すべて、わかっているからつまらない外野の声など気にするな! 冷静になれ!」と熱い心には熱い心で抑えます。
すると、ミカエルが立ち上がって拍手をします。
翼の言葉にミカエルの心が少し救われたようです。
ミカエルに呼応して、観客席から次々と拍手が。
「ナイス、フェアプレイ日本!」と叫ぶミカエル。
観客席からも点を取りに行かず、ボールをピッチ外に出した翼のプレイを素晴らしいと称賛する声が飛び交います。
「どんな結末になろうとも、この試合は間違いなく今大会のベストバウトだぞ!」という声にはどうかと思いましたが。
退場しようするカルツが「あとを頼んだぞ」との言葉。
「あと1点取ってPK戦になれば、ミューラーがいるうちが有利だ」とも。
「まかせておけ」と語るミューラーとシュナイダー。
シュナイダーはカルツを抱き寄せ、「この俺が必ず日本からゴールを奪ってやる!」と力強い言葉。
「今まで言ってこなかったが、俺の夢はおまえと一緒にドイツを世界一に導くことなんだ」なんて言葉も。
「それを成し遂げるのがこのオリンピックだってことを俺はまだ信じている」とも語るシュナイダー。
泣かせますが、日本が勝つのはわかっている読者としては複雑な心境です。
審判団の協議でアディショナルタイムは6分と出ます。
ドイツはカルツの代わりにアウスレンダーという選手を投入します。
これで交代枠をドイツもすべて使い切りましたので、ミューラーの代わりにシュタインが入ることはなくなりました。
私の予想していた森崎対シュタインのPK対決は夢となり散っていきました。
ドイツのスローインで試合が再開しますが、マガトゥーはシュナイダーの指示で翼にボールを渡させます。
そして、ボールを持った翼に対し、向かっていくシュナイダー。
受けて立つ翼。
ここはフェイントもなく、力対力のぶつかり合いです。
激突は互角。
ボールは空中に舞うこともなく、なんと、ふたりの間で回転しながらくすぶっています。
そこに現れたのが葵。
飛び込んだ葵はボールをカニばさみ。
そのまま飛び上がって、回転しながら、岬へのパス。
「俺が日本の仕事師、葵新伍だ!」とのことです。
そういえば、ジュニアユース時代の決勝戦、同じように回転しているボールをカルツはキープできませんでしたね。
葵は一瞬とはいえ、カルツを上回ったということでしょうか?
ボールを受ける岬は「ボクも得点につながる決定的な仕事をしてみせる」と仕事師宣言。
さて、このあとの展開は……
第114話 突撃
日本に再びチャンス到来。
しかし、翼とシュナイダーは激突で脚がしびれており動けません。
「よし、来い、岬!」と叫んだ日向。
それを見て岬は間髪入れず、絶妙のスルーパス。
日向はこのボールをダイレクトで雷獣シュートに行きます。
ですが、ここにまたしてもタイガーボラン。
三度の虎同士の激突、ここも執念のシュートブロックです。
またしても、空中を舞うボール。
そして、今度もいち早く反応したのは新田です。
利き足ではない左足でのジャンピングボレー体勢。
しかも、そこに日向も追随します。
新田のジャンピングボレーと日向のオーバーヘッドが合体!
ここに来て「日本が誇る最強ツートップの合体ツインシュート」が炸裂です。
日向と新田で最強ということで、若島津の立場がどうかとも思いましたが、驚異のブレ球がドイツゴールに襲いかかります。
しかし、このシュートを見極めたミューラーはなんと右手一本でワンハンドキャッチ。
これはかっこよかった。
観客だけでなく、ギュンターコーチも興奮です。
ドイツボールになったことで、フィールドプレイヤーたちが上がります。
ミューラーからのスローインを再びヘディングで日本陣地へとつなぎます。
よく見ると、投入されたばかりのアウスレンダー選手も連携に加わっていました。
彼の実力はどの程度のものなのでしょうか?
足のしびれが治ったシュナイダーも猛ダッシュ。
「俺に落とせ、マーガス! 相手キーパーも手負いだからロングシュートでゴールが奪える!」と叫びます。
相手が「森崎だから」というわけではなく、「手負いだから」ということのようです。
指示通り、シュナイダーの元にボールを落とすマーガス。
一方、森崎も「俺が守る! 俺だってSGGK(スーパーがんばりゴールキーパー)! ペナルティエリア外からのシュートは決めさせるもんか!」と実に頼もしいセリフ。
投入された直後、立て続けに2点を奪われた森崎とは思えません。
しかし、シュナイダーのロングシュートは回り込んできた翼がスライディングタックルでブロック。
ボールは大きくそれ、石崎の元へ。
そして、翼は「君にゴールは挙げさせない。この試合、日本の勝利のため、俺は残り時間、シュナイダー、君のマンマークに付く!」と宣戦布告。
今回はここまででしたが、このあとは翼とシュナイダーのガチンコ対決が見られそうです。
かつて、カルツから徹底マークされ仕事ができなかった経験のあるシュナイダー。
翼との対決はどうなるでしょうか?
私的感想
今回、もしかすると、決着が付くかなと思っていたのですが、まだまだ激しい試合は続くようです。
ただ、予告では次回でクライマックスとのことです。
途中、休載が何度かあったとはいえ、約2年をかけて、この試合は終わるようです。
日本が勝つのは間違いないのでしょうが、どんな終わり方をするのでしょうか。
作者がドイツにも感情移入できるように描いているので、なんだかドイツを応援してしまう自分がいます。
ミューラーがツインシュートを止めたのはかっこよかったですね。
日本が勝つにしても、シュナイダーにはもう1点取ってもらいたいです。
PK戦にはなるのですかねえ……
一応、PK戦になった場合を予測した記事を書いていますので、よかったらご一読ください。
あと、ライジングサンの14巻が発売されたようです。
巻末には作者がサッカーについて語った談話が収録されているようです。
そちらも読んでみたいですね。
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