ハードのスペックアップとゲームの面白さは比例しない。

ゲーム

はじめに

先日、以下のような記事を書きました。

「イース通史1」という同人誌を読みました。情熱を感じました。
はじめに 友人がアキバで買ったという「イース通史1」という同人誌を借りて、読みました。 日本ファルコムの人気ゲームシリーズ「イース」の一作目から三作目までの開発秘話が主に語られています。 作者は岩崎啓眞さんという方です。 ...

「イース」という名作ゲームの誕生秘話を記録した同人誌を読んだ感想です。

当時の人たちが今とは比べ物にならないほど低いスペックのパソコンを使って、悪戦苦闘していた記録が書かれているのですが、「こういうことを実現したい!」という強い思いが、様々な工夫を生み、実現していくというのを改めて知ることができました。

懐古主義者というわけではないですが……

何もかも、昔が良かったというつもりはないのですが、今の開発者たちって、ものすごいスペックのパソコンなり、ゲーム機が与えられているわけですが、すべてを使いこなせて、次の段階に早く行きたいと思っている人ってどれだけいるのかな……と。

私個人は、もう最新のゲームをいちいちチェックしてプレイする人ではなくなってしまいました。

正直、もうお腹一杯です。

派手なグラフィックや演出は見飽きてしまいました。

音楽も素晴らしい音質になって、表現の幅が広がっていますが、曲自体のレベルが上がっているわけではありません。

昔はキャラクターがひとこと声を出して喋るだけでも驚いたものですが、今では声優が出演して話すのが当たり前のゲームばかりです。

ただ、フルボイスがゲームの面白さに必要なのかどうかわかりません。

フロッピーを挿し替えてゲームをしていた時代からみれば、信じられないほどすごいことなのですが、昔のようなワクワク感がまったくないのです。

単に歳を取っただけなのかな……

昔というのは私の場合、だいたい、2,30年ほど前になるわけですが、あの頃のゲームはスマホの写真一枚分の容量もありませんでした。

ドラクエ3が「2MB使用」というので話題になっていたような記憶があります。

バッテリーバックアップ機能も、どこでもセーブできる現在では当たり前すぎて「なにそれ?」というレベルの話ですが、「ふっかつのじゅもん」なる長いパスワードを紙に書いて、写し間違えては嘆いていた時代を思えば、驚愕の機能でした。

この「ドラクエ3」をそれこそ昼夜を忘れて遊びまくりました。

やりこみ要素が満載だったゲームということもありますが、それでもスマホ写真一枚にも充たないデータ容量のゲームに夢中になっていたわけです。

CGやフルオーケストラの演奏も、ボイスも何もなかったのですが、ものすごく楽しかったのを覚えています。

ストーリーやゲームシステム、限られた容量の中で作られる演出にものすごく感動しました。

今の子供たちやゲームプレイヤーたちに、このときのようなワクワク感ってあるのでしょうか?

「ある」と言われたなら、私が単に歳を食った懐古厨のオールドゲーマーになっただけの話で、同じような年代の方と慰め合うしかないのですが、当たり前のことが初めからある子供たちに、技術革新を驚くことができるのかな……と疑問に思いました。

今のスペックを活かし切ったゲームなんて発売されていますか?

今年中(2020年)にプレステ5が発売されるという報道がありますね。

ついにはSSDドライブまで搭載するようになったようです。

しかし、それほどの性能が必要なゲームって一体どれくらいあるのでしょう?

正直なところ、派手なグラフィックやCG、音声などは豪華になっていますが、ゲームシステム自体は、あまり革新的なものが生まれていないと思うのです。

あえて言うなら、「ポケモンGO!」みたいなスマホの特性を活かしたゲームとか、オンライン空間の中で他のプレイヤーと協力して遊ぶゲームの類は新しいとは思いますが、いわゆる暇つぶしにやるような、列を揃えるスマホゲームって、「テトリス」や「コラムス」や「ぷよぷよ」が人気だった頃のシステムと何も変わっていないふうに見えます。

対戦シミュレーションも「信長の野望」がオンラインになっただけ、と見えなくもないですし、スポーツゲームなども、単に昔より、演出が派手になっただけと見えてしまいます。

スポーツゲームで思い出しましたが、PS2で発売されたパワプロシリーズのいくつかはゲームになっていませんでした。

すぐにロード(読み込み)があって、めちゃくちゃテンポが悪かったのです。

代打をひとり送るのに何十秒も待たされては、対戦する気も失せます。

ファミコンのディスクシステムに「レリクス暗黒要塞」というゲームがありました。

このゲームはパソコンからファミコンに移植された作品で、倒した敵に乗り移れるというのが売りだったのですが、PS2のパワプロと同じで、すぐにロードがかかるのでゲームになっていませんでした。

それこそ、2,3歩、歩いただけでロードがかかるというひどいものでした。

パッケージが豪華で、少し他のゲームより値段が高かっただけに、「金返せ!」と当時は思ったものです。

しかし、この「レリクス暗黒要塞」がPS2でもし作られていたら、そんなことはなかったと思うのです。

おそらくスムーズなゲームにできたことでしょう。

もしかしたら、すごくやりこめるゲームにできたのかもしれません。

この「レリクス暗黒要塞」やPS2の「パワプロ」みたいに技術的にやり尽くしたけど、追いつかなかったということで、ハードが新しくなるなら賛成なのですが、ゲーム機としてまだやり尽くしていないのに新しいハードばかり出るのがどうも気になるのです。

PS5のスペックがないとできないゲームって、どんなゲームなんでしょう?

CGやボイスがすごいだけで、システムとしてスペックを必要とするゲームは少ないのでは?

正直、いまだPS3のスペックだって使い切っていないのではないでしょうか?

最後に……オールドゲーマーの嘆き

少し話がズレてしまいました……

冒頭に挙げた「イース」の例で言うと、当時、なめらかなスクロールは不可能と思われていた時代に、とある天才プログラマーが特殊な技法を使うことで、スクロールしているように見せるという技を思いつき、成功させたことがはじまりとなっています。

それを見た多くのクリエイターが「これはすごい」と衝撃を受け、同じようなゲームを作ってみたいと思って、様々な研究を重ねた結果、すごいゲームが生まれました。

スマホの写真一枚よりも少ない容量で……です。

それ以降、多くのゲームをプレイしましたが、このときほどワクワク、ドキドキしたゲームってほとんどないですね。

パッケージを開けて、カセットを挿すなり、フロッピーを入れるなりして、OP画面をワクワクしながら待つ……昔のゲームにはそんなことがたくさんあったように思います。

ひたすら連射しまくっていた時代もありました。

紙にマップを書いて遊んでいたこともありました。

友人たちと情報交換して一緒にクリアしたゲームもありました。

X68000というパソコンが発売されたとき、ゲームセンターと同じクオリティのゲームが家でできるなんて……と驚いた記憶もあります。

今はPS4でゲーセンよりすごいゲームができてしまいます。

それは素晴らしいことなのかもしれませんが、プレイヤーもクリエイターもいきなりすごいものを与えられて、お腹一杯とならないのかな、とも思います。

ドラクエで例えるなら、最初はたけやりを持って、スライムを倒すところから始め、コツコツ進めていくのが楽しいのに、いきなり、ロトのつるぎを与えられては無双しすぎて、プレイヤーとしては面白くありませんし、クリエイターは経験値が積めません。

いきなり強い刺激を与えられては、より強い刺激を与えてもらわないと面白いとは思えません。

しかし、すでに刺激は限界点に近くなっているのではないでしょうか?

なんだか、それをうらやましいというより、かわいそうと思ってしまうのです。

余談

かつてT&Eソフトから「ハイドライド」という名作RPGシリーズを作られた内藤プログラマーが、復刻されるPC8001で動くゲームを開発されました。

プレイしていないのでなんとも言えませんが、昔のゲーム機でも面白いゲームが作れるということを証明してくださるのではないかと思っています。

以上、オールドゲーマーの嘆きでした。

長々と読んでいただきありがとうございました。

追記
以前、似たようなことを書いていました……

PS5が2020年末に発売の模様。もはや着いていけない…… | あの日のニュース
はじめにSONYが次世代ゲーム機として、プレイステーション5(PS5)を2020年末のクリスマス商戦に投入することを発表したそうです。そのスペックが凄まじい。ドライブはSSD化され、ロード時間が爆速に。映像は8Kに対応するとか。ブルーレイデ

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