マドリッドオリンピック準決勝、日本対スペイン。
試合開始直後、セグウェイドリブルを始めたミカエルが翼へ向かって行きます。
いきなりの両エースの対決。
テレビ観戦中のロベルト、リバウール、サンターナ、ナトゥレーザの四人も固唾を飲んで見守ります。
真正面から受けて立つと挑んだ翼ですが、ミカエルの選択はラファエルへのバックパスでした。
肩透かしを食らい、驚く翼。
それに対し、ミカエルは翼の目の前で反転。
翼を背負うような体勢となり、ラファエルにパスを要求します。
何かを企んでいると見たラファエルはミカエルへパス。
翼を背にしたままこのボールをトラップ……と見せかけ、自分の右脚から肩口へボールを移動させます。
ボールはそのまま翼の頭上を越えます。
「本邦初披露・秘技スカイエスカレーター」とのことです。
「何が起こったんだ?」とサンターナ、ナトゥレーザだけでなく、リバウールまで唖然としています。
さらにミカエルは素早く体勢を入れ替え、鋭い切り返しで翼の脇を抜けていきます。
あまりの速さに翼も棒立ちのまま反応できません。
ミカエルは「まずは挨拶がわり」と落ちて来たボールをペナルティエリアの外からではありますが、そのままオーバーヘッドでシュート。
「流れるような動きからのミラクルアクロバティックシュート!」と実況の方も大絶叫。
しかし、唖然とする者が多い中、ひとり反応していたのが若島津。
左腕を懸命に伸ばし、このオープニングシュートを防ぎ、キャッチできないものの弾き出します。
若島津曰く、「メキシコ戦の最後で見せたミカエルのロングレンジからのオーバーヘッドを見ていて良かった」とのことでした。
こういうシュートもあることを予測していたとのことです。
さらには、心配された右足首も痛みはないとのことでした。
閑話休題。
この漫画では両エースが試合開始直後に激突することが非常に多いです。
私が知る限り、結果は2パターンに分かれます。
1.両者の力が互角で脚がしびれて動けなくなり、こぼれ球を他のプレイヤーが拾う。
2.なんらかのアクロバティックな技が披露される。
1は翼とシュナイダーが激突した例が有名でしょうか。
2は日向と翼の初対決時のヒールリフトやサンターナターンが有名ですかね。
今回は2のパターンだったようです。
2のパターンは新しい技を考えるのが難しいので、最近は少なかったように思います。
さすがに4ヶ月も間隔があると作者も何かを考えなければと思われたのでしょうか。
ですが、ヒールリフトを初めて見たときのような驚きはなかったですね。
この技もどうせ試合中に翼がまた真似して使うことは間違いないでしょうし……
決まりはしなかったものの、見事なシュートだったぞとミカエルを讃えるスペインイレブン。
しかも、コーナーキックのチャンスでもあります。
サンターナとナトゥレーザは、翼がミカエルの動きにまったく反応できなかったことに驚いています。
リーグ戦での自分たちと同じように翼も抑え込まれてしまうのか……と。
もちろん日本イレブンも思いは同じで、全員が翼を心配します。
ですが、当の翼は「予備動作が全く無くて次のプレイがまったく読めない」「ミカエルはやっぱりすごいや!」と明るい表情。
「この感覚は初めてロベルトのプレイを間近に見たときと似ているな」とさえ口にします。
ロベルトのプレイとは、キャプテン翼第一話のわざとゴールポストに当てて跳ね返ったボールをオーバーヘッドで決めたあのプレイです。
ミカエルの曲芸的なプレイとロベルトのプレイは異質な気もしますが、翼がそういうのならそうなのでしょう。
私などはスカイラブハリケーンやコンクリートの壁を凹ませたタイガーショットのほうが驚きましたが……
「やっぱり君はすごいよ! そんな君と今日闘える俺はすごく幸せだ!」とミカエルに向かって叫ぶ翼。
「えっ?」
「何を言ってるんだあいつは?」
と驚くスペインイレブン。
これは単に日本語がわからないのか、翼の言っている内容が理解不能なのかどちらなのでしょう?
何語で話しているのかわからないので判別不能です。
しかし、ミカエルには通じていたようで「ボクも今日の試合ワクワクが止まらないよ」とのことです。
試合はスペインのコーナーキックから再開されます。
まずはここを守りきり、一気のカウンターを狙おうというのが日本の作戦でした。
日本イレブンたちも翼が意気消沈していないのを見て士気が高まります。
コーナーキックを蹴るのはミカエル。
「直接のシュートもあるぞ」と若島津にアドバイスする翼。
ミカエルのキックはショートコーナー。
ラファエルにボールを一旦渡し、再度ボールを受け取ります。
そして、角度のあまりないところから右脚を一閃。
カーブをかけたバナナシュート(この呼び方を久々に見ました)です。
早田が「俺の専売特許のカミソリシュート!?」と驚いています。
さすがに自己主張の強い黄金世代。
すべての低空飛行シュートが松山のものであるように、カーブをかけたシュートは早田のものらしいです。
岬も「SSS」とか「ブーメランシュート」なるカーブをかけたシュートを使っていたような記憶があるのですが、作者の記憶にはないのでしょうか?
翼のアドバイスがあったおかげかはわかりませんが、直接ではなかったもののミカエルがシュートを撃ってくることを読んでいた若島津。
大きくジャンプしながら、空中で得意の手刀ディフェンス。
ここもゴールを守ります。
しかも、このボールは直接前線にいた新田に渡ります。
DFも上がっていたスペインゴール前は手薄な状態。
若島津はしっかりとこれを狙っていたとのことです。
……やけに若島津が持ち上げられていますが、試合終了まで続くことを祈る限りです。
「よし! ここはチャンスだ!」と反応したのは岬。
ミカエル、ラファエルがすぐにはスペイン陣内に戻れないと見て、猛然とフィールドを駆け上がります。
それを見た新田はすかさず岬へパス。
試合前、石崎が唱えた「10人対10人の理論」。
翼とミカエルが互角の戦いをしたとすれば、残りの10人対10人で自分たちが上回れば、日本が勝利できるという理論です。
私などはすっかり忘れていましたが、岬はしっかりと覚えていたようで、今こそその理論を証明すると意気込みドリブルに入ります。
フィールド中央をドリブルで進む岬。
前にいるのは新田と全速力で駆け上がって来た日向。
「日本のメダル獲得のためのゲームメイクをボクがする!」と気合を入れて、今回はおしまいでした。
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