今月のあらすじ
扉絵は道着を着て構える若島津と、その兄と思われる人物が不敵に笑う姿がカラーで描かれていました。
「健と真、若堂流二代目と目される二人の間柄は!?」と書かれていました。
え、兄弟じゃないんですか?
前回、かかと落としによる瓦割り対決に挑んだ日向。
かなりの枚数を割りましたが、結果は2枚残り。
若島津は19枚を割り、1枚残りなので、若島津の勝ちと相成りました。
「さすがは小学生全国チャンピオン!」
「健ボー、おみごとナイス勝利!」
などと、道場がわきます。
「今日の朝練で猛特訓したのにー」と悔しがる日向。
しかし、「素人にしてはいい蹴りをしている」と道場の師範からほめられます。
それどころか、「一緒に空手をやってみないかい?」と誘われる始末。
「ちょっと待て、若島津。負けたらなんでも言うことをきくと言ったけど、俺空手はやらないぞ」
「うちは貧乏で月謝が払えないからな」
といって、タケシを連れて逃げます。
ちょっと日向くん、潔くないような……
月謝が払えないという理由の方が大きいのですかね。
道場の面々は「面白い子だな」と皆で大笑い。
一方で、若島津父は息子に「転校早々いい友達ができたな」と話します。
「トモダチ」という響きに何か感じるものがあった様子の若島津少年でした。
なお、瓦を片付ける弟子たちが何か騒いでいましたが、場面が変わりました。
明和FCの練習場。
ふたりが帰ってきたのを見て、吉良監督が「どうだった天才GKのスカウトは?」と話しかけます。
「それが……」とお茶を濁す日向に対し、「そうか、駄目だったか。まあ仕方ないな」と笑う吉良監督。
「俺の蹴りの威力なら行けると思ったんだけどな」とつぶやく日向。
それに対し、タケシが「サッカーではヒールキックはあったとしても、まずかかと落としはないですからね」と今更ながらの意見。
「インステップキックとかアウトサイドキックとかを使って、板を何枚早く割るかを競ったほうが良かったんじゃないですか?」とまでいいます。
「おい、タケシ、そういうことはもっと早く言えよ。もーっ」と日向。
「スミマセン」とタケシ。
「こりゃいい笑い話だな」と吉良監督。
と、三者三様の和やかな会話。
この時代の日向は「もーっ」なんてセリフを吐く人物だったのですね。
「しょうがない。秋の埼玉県大会はこのメンバーで闘うしかないな」と吉良監督。
「秋の埼玉県大会」という言葉が出ました。
どうやら、この舞台で明和カルテット勢ぞろいとなるのでしょうか。
場面は再び空手道場へ。
残っていたと思った日向の19枚目にヒビが入っていて、実は割れていたことが判明。
勝負は引き分けだったようです。
若島津がショックを受けていました。
舞台は千葉県九十九里浜へ。
岬太郎くんが砂浜でサッカーをする中、父の岬一郎氏が「よし完成だ」と満足げな表情です。
「父さんがここで描がきたかった絵はすべて描き終えたんだね」と話す岬太郎。
「次はどこへ?」
「海をぞんぶんに描いたので、次は川の流れを自分なりに表現したい」ということで、埼玉県の渓谷を描くことに決めたそうです。
ただ、住む場所は明和市に決めたということで、秩父までは電車で通うとのこと。
明和市は比較的東京に近いという設定なんでしょうか。
一郎氏は太郎少年に「おまえが通うのは市立明和小学校」と告げます。
基本的にサッカーの盛んな学校や土地を選んでいた一郎氏のはずですが、明和FCのことは知っていたのでしょうか?
場面は若島津家へ。
「兄さん」と話かける若島津健少年。
やはり、若島津真は兄だったようです。
読者はみんなそう思っていたと思いますが。
弟、健の申し出は「明日の朝、稽古の前に俺と本気の組手試合をしてくれないか」ということでした。
一瞬、思案する兄の真でしたが、「ああ、かまわんよ」と回答。
「もしかして、その勝負で、うちの道場をどちらが継ぐのか決めるのか?」と尋ねる真。
それに対し、弟の健は「父さんは俺と兄さんの強い方に道場を継がせると言っているけど、俺は兄さんが継ぐべきだと思っている」と答えます。
「俺は今年の小学生全国チャンピオン。兄さんは昨年のチャンピオン。そのふたりが今現在どっちが強いのか、今兄さんがどれくらい強いのか、最後に知っておきたいんだ」と話す、弟の健。
どうやら、ふたりは1歳違いのようです。
真兄さんは6年生ということになるのですね。
兄の真は「最後に……か」と何かを悟ったようなセリフをつぶやきます。
翌朝、庭で向かい合うふたりの姿があって、今月はおしまいでした。
個人的感想
今更ながらですが、若島津真少年は若島津の兄と完全に判明しました。
不敵な態度ですが、6年生のようです。
それにしても、前回も思いましたが、この頃の日向少年は妙に明るいですね。
「面白い子だな」とさえ言われていますし。
張り詰めた雰囲気で明和FCを率いていた6年生時の日向小次郎と同一人物とはとても思えません。
皆が意見することさえ恐れていた日向に対し、この時点でのタケシは軽口を叩いていますし。
岬も登場しましたし、このあと日向を硬派にさせる何らかの出来事があるのでしょうか。
ところで、岬は5年生時、当初九十九里にいて、夏の一時期だけ富良野に行き、秋には明和に行くという目まぐるしい生活をしていたことになるのでしょうか。
さすがにこれだけ転校するのはちょっとかわいそうですね。
まあ、とりあえず次回に期待しましょう。
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