キャプテン翼メモリーズ「大空家の引っ越し」第1話 あらすじと感想

キャプテン翼ライジングサン
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東京の下町からスタート

今回のスピンオフ漫画は大空翼が南葛市に引っ越す前の話ということです。
小学3年生で9歳のときの翼の話となります。
舞台は東京の下町とだけ書かれています。
作者が南葛市のモデルにしたのは、出身地の南葛飾ですから、葛飾区がモデルになっているのでしょうか?
時期は8月の夏休み。
「お母さん、行ってきまーす」と9歳の翼がドリブルしながら、どこかへ出かけようとしています。
「車には気をつけるのよ」と叫ぶ、翼の母。
「あんたは小さい頃、車にはねられたことがあるのだから」と第1話のエピソードが語られます。
下町の路地裏をドリブルする翼。
まだ、この頃はサッカー技術が未熟だった翼、車の往来が多いところでは、ドリブルすることを禁じられていました。
その際には、アミにボールを入れ、紐を足に結びつけて蹴る形でドリブルをしていました。

船宿・大空丸

河川敷にたどり着いた翼。
ボールを建物に向けて蹴ります。
建物には「船宿・大空丸」と書かれています。
ボールの先には犬が待っていました。
若林家のジョンに似た犬は「リク」と呼ばれていました。
すると、そこに翼の祖父母らしきふたりが現れます。
ばあさんは「ツーちゃん」なんて翼のことを読んでいます。
夏休み、ここで犬と一緒にボールの奪いあいをするのが、翼の日課であるようです。

母の回想

舞台は現代に戻り、南葛市の大空家に。
母が翼の子供の頃のアルバムを見返しています。
「あの頃はおじいちゃんとおばあちゃんも元気で……」と語っているところを見ると、ふたりはもう故人なのでしょうか?
「翼の写真はほとんどボールと一緒に写っているわね」なんてコメントも。
その中で、母は自分たちの結婚式の写真を見つけます。

若き日の翼の両親

ここで、再び舞台はさかのぼり、翼の父と母が初めて出会ったときのことに話が飛びます。
大型客船の前でポーズを取る翼の父、広大(こうだい)。
取材を受けているようです。
続いて、テラスで父の広大はインタビューを受けます。
インタビュアーは小坂奈津子(こさかなつこ)と名乗ります。
翼の母です。
旧姓は小坂というのですね。
初めて知りました(今まで、出てこなかった?)。
母の奈津子は英集出版の月刊バイモスという雑誌の編集者であるようです。
様々な職業の人間を特集しているそうで、若くして大型客船の船長を務めている翼の父をインタビューしに来たという設定でした。
船長になったきっかけを聞かれた翼の父。
それに対して、まずは自分の父親(翼の祖父)の話からしなければならないと語り始めます。

翼の祖父の話

翼の祖父は元々、渡し船の船頭をしていました。
しかし、近代化が進み、大きな橋が架かるようになり、仕事がなくなりました。
そこで、祖父は借金をして川べりに家を立て、船宿を始めることにしました。
船に釣り客を乗せたり、物資を運んだりしていたそうです。
翼の父も中学に上がる頃から、仕事を手伝うようになっていました。
当時は休日になると釣り客がたくさん来ていて、繁盛していたとのこと。
それが土台となり、船に乗るのが好きになったということです。
祖父は息子にその仕事を継がせたかったようです。
ですが、息子はもっと広い世界を見てみたいと考えていました。
夢を語る父に対し、祖父は賛同し、無理をして商船大学まで通わせてくれたとのことでした。

父母のなりそめ

話を聞いていて、船に乗りたくなったという翼の母。
それを聞いた父は、船宿の住所を記した名刺を渡します。
数日後、船宿に現れた母。
「来ちゃいましたー」と語る母に「本当に来られたのですね。社交辞令かと思っていたのに」と語る父。
「釣りもしたことがない」と語る母に対し、父は船を出し、釣りへと連れ出します。
父から指導を受けた母は船酔いもまるでせず、元気に魚を釣ります。
しかも、大物のメゴチを釣る大成果。
作者は釣りが好きなのか、このあたりの描写が結構リアルでした。
母はその晩、船宿で自分が釣ってもらった魚を調理してもらいご満悦でした。

駅まで追いかける父

宿を発つ母。
「送っていかなくていいのかい?」と聞かれる父ですが、「大丈夫だろ、ひとりで来たんだし」と一見、素っ気ない態度。
しかし、祖父は語ります。
「あの娘はおまえの嫁さんにいいんじゃないか?」
「まだ会ったのは二回目だよ!」と驚く父に対し、「小坂奈津子という名前には『サカナ』という文字が隠れている」と祖父は語ります。
「この船宿の嫁にはもってこいじゃないか」と(このために母の旧姓を小坂にしたのですね……)。
祖母も祖父の提案に賛同。
佃煮を土産に渡すという名目を作り、母を追いかけさせます。
着いたのは京成電鉄「四ツ立駅」。
東京の地理に詳しくないので、どの駅がモデルかわかりませんが、とにかくそこまで追いかけます。

2020.08.09追記

詳しい方から情報をいただきました。
作者の故郷、葛飾区の四ツ木駅がモデルだそうです。
翼とタイアップしていて、駅構内は翼の装飾だらけだとか。
勉強不足でした。

しかし、電車はすでに走り出した後でした。
「仕方ないか……」とあきらめかけた父でしたが、なんと、母は改札で待っていました。
「私を呼ぶ声が聞こえたから」とニコリと笑う母。
小悪魔です。
さすが、後に自転車でウイリー走行をするほどの女性です。
改札口で佃煮を渡した父は「2日後には長い航海に出て、帰るのは4ヶ月後になりますが……」と切り出し、「その時また会ってくれますか?」と話します。
「はい、よろこんで」と返事する母。
それを見ていた京成電鉄四ツ立駅駅長、栗原佐吉(当時45歳)は「いいなあ、若い子たちは、うまくいったみたいでよかったよかった」と微笑むのでした。
名前から年齢まで設定されているこの駅長、今後、何か話に絡むのでしょうか?

私的感想

「大空家の引っ越し」ということで、てっきり翼の小学校内でのエピソードが中心かと思っていました。
まさか翼の父母のラブコメを見ることになるとは……
ですが、意外と面白かったです。
なんだか「めぞん一刻」を読んだときの気分を思い出しました。
時代背景的に同じくらいなのですかね。
それとも、作者自身のエピソードがどこかに込められているのでしょうか。
次回はどうやら翼の小学校内のことが描かれるようです。
二ヶ月後を楽しみに待ちましょう。

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