キャプテン翼メモリーズ2「ボクは岬太郎2」あらすじと感想

キャプテン翼ライジングサン
記事内に広告が含まれています。

6月2日、キャプテン翼マガジン第7号発売前日に、なぜかグランドジャンプ本誌の方で、キャプテン翼メモリーズ2が掲載されました。
タイトルは「ボクは岬太郎2」。
前作はなんと1980年代に描かれているようなので、実に30~40年ぶりくらいの続編ということになります。

あらすじ(ネタバレあり)

舞台は現代(といっても、キャプテン翼世界で、現在が何年かは不明)、マドリッドオリンピック準決勝、日本対スペイン戦の前です。
岬太郎の父、画家の岬一郎は個展を開いていました。
富士山の絵やラベンダー畑の絵が飾られています。
そこに出版社の人間らしき人物が、「展覧会の目録も兼ねる岬一郎先生初の本格的画集『放浪画家岬一郎大全集』がやっと完成しました!」と息を切らせながらやってきます。
後援者である下成さんと山村先生のふたりも画集に解説文を寄せたとのことです。
しかし、画集に文を寄せたのはこのふたりだけではありませんでした。
サプライズとして、息子である岬太郎にも推薦文を書いてもらっていたとネタばらしをし、しかも推薦文は帯のコメントに写真入りで使うということでした。
これなら、岬太郎のファンも父親の絵に興味を持つかもしれませんし、画集の売上にもつながるでしょうし、さすが商売人はしっかりしています。
実際、後援者たちから、「君ら出版社はあざといねえ」などとツッコまれています。
父、一郎は息子の文章を読み始めます。
「ボクは岬太郎、そしてボクの父・岬一郎は全国を旅して絵を描く、放浪の画家です」という一文で始まる文章を読みながら、過去の回想へと入ります。

まずは千葉県房総半島、九十九里浜。
初夏の季節。
岬太郎は当時小学5年生です。
九十九里FCは砂浜でトレーニングをすることで足腰を鍛えているとのこと。
九十九里FC……すっかり忘れていました。
岬が南葛のメンバーたちに紹介していた各地の強豪のひとつでしたね。
岬はすっかり砂浜トレーニングにも慣れ、メンバーの誰よりもうまくなっているようです。
練習終了後、仮住まいと思われる家にて、岬は父親から「学校が夏休みに入ったら、北海道に行くぞ」と告げられます。
「また転校ってこと?」と問いかける岬。
父は「一ヶ月の北海道ふらのへの旅行だ。2学期まではこっちに戻ってくる。ふらののラベンダー畑がどうしても描きたくなった」と返します。
少し父の絵が売れ始めたようで、飛行機で北海道に行けるという話になり、初めて飛行機に乗るという岬も声が弾みます。
北海道のうまいものもいっぱい食べようとも盛り上がります。

舞台はふらのへ。
美しいラベンダー畑が広がっています。
冒頭のカラーページで飾られていた絵のシーンですね。
絵を描き始める父に対して、岬はサッカーボール片手にそこらを散策してくると告げます。
すると、父は「この町にあるふらの小学校サッカー部はなかなかの強豪で、北海道大会は準優勝したらしいぞ」と情報提供をします。
それを聞いた岬は、ふらの小学校が見つかったらのぞいてみると話します。
ドリブルで街を散策する岬。
ここで、岬の推薦文が引用されます。
「この当時、まだサッカーはプロリーグもなく、野球の方が盛んだったけれど、なぜか自分が転校していく先は、サッカーが盛んでした」と。
ドリブルをしているとふらの小学校を発見します。
夏休み中だけれど、熱心に練習するふらの小イレブン。
「北海道大会準優勝だけあって、みんなうまいや」
「北海道のサッカーチームは雪かきで足腰を鍛えている」
などと、分析する岬です。
事実、ふらの小イレブンの誰かが「冬はなかなか思うような練習ができないから、夏場のうちに目一杯練習しておこうぜ!」などと叫んでいます。
ふらの小イレブンの小田くんに似た人物が、松山に対して、「キャプテン、さっきらからずっとこっちを見ている子がいるんだけど」と指摘します。
「夏休みだから、こちらに実家がある子かな」という推測をしますが、岬の足元にサッカーボールがあることを発見します。
すると、松山が歩み出て、「じゃあ、一緒に練習するか?」と声をかけます。
さすが、チームワークNO1と呼ばれたふらのイレブンです。
よそ者にもフレンドリーです。
松山と岬は互いに自己紹介。
松山は「新チームのキャプテン」と自己紹介しますが、5年の夏休み時点でキャプテンって入れ替わるのですかね?
夏の大会が終わったら、6年生は引退ということでしょうか。
岬は鍛え上げたテクニックを披露。
ふらの小イレブンたちは「わっ、うめェ!」「マジか…」「キャプテン、この子めちゃくちゃサッカーうまいよ!」と驚きの声。
松山はといえば、「これはなかなかいい練習相手が見つかったぜ」と大喜び。
岬と激しい1対1の対決を繰り広げます。
ここで、また岬の推薦文が引用されます。
「父はボクのために、常にサッカーの盛んな場所を選んで引越し先、転校先を決めていてくれていた」
「父のおかげでボクは今まで大好きなサッカーを続けてこれました。父さん、今までありがとう」
感涙する岬の父。
さらに岬は恥ずかしいと断りながら、小学生のときに書いたという絵日記と作文を引用します。
そこには「将来の夢はオリンピックに出て金メダルを取ることです」と書かれていました。
「父の首にも金メダルをかけてあげたい」とも。
一緒に読んでいた後援者たちも、「太郎くんは今まさに夢をかなえるためにオリンピックを闘っているんだね」と納得します。

「岬一郎展~日本の自然を描く~」はなかなかの盛況。
すっかり売れっ子の画家になっているようです。
そこにやってきたのは、元妻の由美子さんです。
さらには由美子さんの現在の夫である山岡浩二さんと娘の美子ちゃんも登場します。
空気が読める山岡夫はあいさつだけをして、ひとまず娘を連れ、上野動物園に向かいます。
「君が幸せそうでよかった」と岬の父。
「あなたもこんな大きな展覧会が開ける作家さんになってよかったですね」と岬の母。
「もう少し早くにワシの絵が売れだしてくれていれば、君とも別れなくてすんだかもしれないが」と自虐的ギャグを飛ばす岬の父。
岬の母はその点については無言でした。
父は元妻に画集を渡します。
母はこれからスペインに行くと宣言します。
マドリッドへ行き、太郎を応援するとのことで、夫(山岡氏)もバカンス休暇を取り、美子ちゃんも兄を応援すると張り切っているとのこと。
それを聞いた岬の父は「ワシは個展があって行けないから、ワシのぶんも応援してきてくれ」と語ります。
母は「太郎を立派に育ててくれてありがとうございました」と改めて礼を言います。
「ワシは何もしとらんよ」と謙遜する父。
「けれども、太郎は誰からも愛される立派な青年に成長してくれたと思う」とも語ります。
会話を済まし、動物園に向かおうとする母。
最後に「あなたは新しいパートナーを見つけないのですか?」と尋ねます。
「ワシはこうして好きな絵を描けているのだけで幸せなのだよ」と返す父。
このあたりは、作者らしからぬ大人の会話という感じでしたね。

舞台は現代に再び戻ります。
スペインはマドリッド。
サンチャゴ・ベルべナウスタジアムの前にひとりの男が現れます。
メガネに少し出っ歯な人物……誰であろう、西峰小のシーンで登場したミツル少年の成長した姿でした。
厳しい教育ママの指導で、満足に大好きなサッカーができていなかったあのミツル少年です。
彼はバイトをいくつもハシゴし、マドリッドにて岬を応援するための旅費を稼いでいたのでした。
岬のおかげで、大学までサッカーを続けてこれたということです。
企業の内定ももらえたので、卒業旅行も兼ねて、マドリッドに来たとのこと。

さらに別グループがスタジアムに現れます。
パリ日本人学校中等部第31期卒業生がここマドリッドに集結したのでした。
誰かが岬を応援しようと呼びかけたら、10人以上が集まったようです。
みんな日本に戻ったり、別の国に引っ越して行ったりしたのに、岬のことになると団結できるようです。
しかしながら、そこに悲しいお知らせが。
地元スペインが登場するということもあり、チケットが5枚しか手に入らなかったのです。
じゃんけんで5枚を争奪し、負けた者はパブリックビューイングで応援することを決めますが、ここで、あのあづみちゃんが登場し、彼女だけは特別だということで、じゃんけんから除外されます。
理由は「中学の3年間ずっと岬のことを思い続けていたから」ということです。
顔が赤くなるあづみ。
みんな気づいていたとのことでした。
顔を赤くしているあづみを見て、「いまだに岬のことを思い続けているのか?」とからかうメンバーたち。
するとあづみは「バカにしないで、私だって彼氏の一人や二人……大学では結構モテるんだから」と騒ぎます。
これは事実なのでしょうか?
というか、今、あづみちゃんはどこの国にいて、どの大学に通っているのでしょうか?
岬くんとの連絡は途絶えていたのでしょうか?
そのわりに、今回、呼びかけに応じているわけですが……このあたりは謎ですね。

彼らだけではなく、九十九里FCの面々までもスタジアムに集まっていました。
彼らは「岬の奴、俺たちのことを覚えているかな?」なんて不安そうな声も出しています。
スタジアム前でミツルに声をかける男がいました。
「おれだよ、おれ、仙台の西峰小でいっしょだった小玉和男だよ」とのこと。
すみません、私は存在を忘れていました。
西峰小も仙台にあったのですね……
なお、ミツル君は東大在学中で、片桐コンツェルンに就職が決まっているとのことです。
今後、片桐さんとともに登場する可能性があるかもしれませんね。
なお、小玉くんは実家の食堂を継ぐべく、修行中とのことでした。

人気者の岬くんはそれぞれ心強い応援団を味方にこれからスペイン戦に挑むようです。
日本対スペインの一戦はキャプテン翼マガジンを読んでくれということで、この話は終わりました。

私的感想

想像していたより面白かったです。
しかも、もっと短い話かと思ったら、それなりのページ数がありました。
みんなに愛される岬くんの良さがうまく描かれていたと思います。
ただ、少し疑問も……
ふらの小には夏休みの一時期しか関わりがなかったのでしょうか?
雪の中、松山たちと岬が練習しているコマがあったとマニアの方から指摘があったのですが……
冬にもふらのに行き、そのときは冬の北海道の絵を岬の父は描いていたのでしょうか?
小学5年の夏頃には九十九里とふらのにいたわけですが、日向たちと一緒に明和にいたのは何年生のときのことなんでしょうね?
岬が強豪チームとして、大阪の通天閣FCの話などをしていた記憶があるのですが、それは何年生のときのことなんでしょうか?
岬は一体、何回転校しているのでしょうか?
あづみちゃんと岬はまったく音信不通だったのでしょうか?
そのあたりは読者の想像力に任せるというところでしょうかね。
今回、グランドジャンプ本誌に掲載されたことで、マガジン内にはメモリーズは掲載されないのですかね。
その答えは明日に出ますね。
予告では、スペイン戦が始まるようなので、今後のキャプテン翼ライジングサンに期待しましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました