日本対スペインの準決勝。
前回、葵と翼が放ったフルメタルファントムが見事に決まり、日本が3-2と勝ち越したところで終わっていました。
日本の応援団は大声援ですが、スペインサポーターが圧倒的な数のため、会場全体としては静まりかえります。
ミカエルは冷や汗、天才GKカリューシャスは「一歩も動けなかった」と唖然。
サンターナとナトゥレーザのふたりは技を完璧にコピーされたと呆然。
確かに、岬相手ならともかく葵にパクられたら微妙かもしれません。
その葵はというと、あこがれの翼との合体技が成功したことに大感激。
涙を流して、翼に抱きつく、相変わらずの翼信者ぶりです。
前半の失点が葵のボールロストから始まっただけになおさらです。
観戦するディアスとパスカル、ミカエルの親友サウール、スペインの観客たちが今更ながら翼のことをすごい選手だと褒め称えます。
スペインの監督も「翼がいる限り最後まで苦戦させられるかもしれない」という主旨の心の声。
ずいぶんと上から目線ですが、ここはサッカー大国としてのプライドでしょうか。
ミカエルとラファエルはふたりとも下を向き、暗い顔です。
ミカエルは翼と岬のコンビではなく、翼と葵のコンビだったこと、空中で行われると思っていた「ハイスピードトルネードスカイアルファ」ではなく、「フルメタルファントム」だったことと、二度、裏をかかれたことに暗い顔です。
ラファエルは同じ技ならミカエルが止めてくれると思って(まるで聖闘士ですね……)ディフェンスがおろそかになってしまったことに反省しています。
日本ベンチでは三杉が吉良監督に対し「コンビネーションという意味ではうちに分があるかもしれませんね」と軽口。
吉良監督も「やつら黄金世代は小学校時代から同じメンバーが集まることが多かったから、プレイスタイルだけでなく性格的な部分まで知り尽くしている」という主旨の発言で賛同します。
それどころか「チームワークは間違いなく日本が今大会No.1だ」と断言します。
ドイツもOA枠を使わず、ジュニアユース時代からのメンバーが集まっていたような気がしますし、日本チームにも曽我や井川のような外様がいるような気もしますが、そこは突っ込まないでおきましょう。
意気消沈するスペインチームですが、ここで声を上げたのはOA枠のふたりブルーノとグランディオス。
「下を向くな、しっかり顔を上げろ!」
「試合はまだまだこれからだ、後半はまだまだ始まったばかりだ!」
と、常識的な発言ではありますが、檄を飛ばします。
「大空翼が、日本が強敵だったなんて初めからわかっていただろ!」
「だけど俺たちだって弱かねえ!」
「前半同様取られたら取り返すだけだ!」
とも続けて発言し、スペインイレブンたちの士気を高めます。
これまであまり活躍のなかったふたりのように思うのですが、ここは作者がせっかくいるベテランふたりをうまく生かしたなと僭越ながら思いました。
スペイン監督も「経験豊富なふたりがいてくれることで心強い」と絶賛。
その割にこのふたりはミカエル任せだったような気もするのですが、そこは気にしないでおきましょう。
リスタートの前にふたりが会話。
ふたりの翼評は「味方にすると心強いが、敵に回すとやっかいだ」ということと、「強い相手と戦うたびに成長している」ということでした。
一方、戦術的にはこれまでミカエルに翼のマークを任せて来たが、現実問題として翼から2点取られているため、時にはセンターバックのポジションから離れて翼のマークにつくべきということで合意します。
翼とミカエルの変態技対決に少し食傷気味だっただけに、世界最高峰のDFであるはずのふたりとのマッチアップが楽しめそう(?)です。
もっとも、グランディオスは本職はCBではなく、守備的MFだったように思いますが。
それぞれが思惑を持っているわけですが、ここでひとり野心を燃やす男がいました。
誰であろう猛虎日向小次郎です。
葵と新田のチョコマカハイプレス、若島津の前を大きくあける高いディフェンスライン。
これにより、日本は主導権を握っているわけですが、ここでまた追いつかれたら同じことの繰り返しとなる。
葵と新田の体力が落ちる前にもう一点。
そして、その一点を取るのは俺だ!ということです。
「誰でもいいから、ゴール前でワントップで待つ俺にパスを送ってくれ」
「俺の右脚はゴールに飢えているんだ」
ということで、この回は終わりでした。
まさに虎視眈々。
こういうときの日向はゴールを決めることが多いわけですが、果たしてどうなることでしょうか。
タイトルの「黄金世代No.1」というのはチームワークNo.1という意味だったのですかね?
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