キャプテン翼メモリーズ「おれが若林源三だ!!」前編 感想

キャプテン翼ライジングサン
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はじめに

キャプテン翼マガジン創刊号にスピンオフ作品として、若林源三を主人公にした漫画が掲載されていました。
高橋陽一先生自らの筆によるものです。
本編でケガをした若林に血液を提供した直後、見上さんの回想という形で始まります。

若林家の歴史と父親や兄の名前判明

まずは資産家である若林家について歴史が語られていました。
それによると、若林家の祖先は江戸時代、駿河国の豪商であったようです。
明治に入り、初代の若林源左ェ門が次々と会社を起こし、一代にして巨万の富を築きました。
若林の父、修造は三代目とのことです。
舞台は若林が小学4年のときから始まります。
誕生日プレゼントに若林は毎年豪華なものをもらっていたようです。
小学校3年時には屋敷内にナイター付きの個人専用サッカーコート、その前は世界のサッカービデオ100巻と学校にサッカー専用グランドだそうです。
とんでもない小学生ですね。
「父さんは歳の離れた末っ子には甘いからな」と兄ふたり、長男・修一と次男・栄二が語っています。
兄ふたりの名前が出たのは初めてではないでしょうか。
そして、今年のプレゼントは「専属の世界一のGKコーチがほしい」とのことでした。

見上さんがコーチとして就任

数日後、若林家の屋敷を見上さんが訪れます。
当時、ヨーロッパでサッカーコーチ研修を終え、静岡県サッカー協会勤めだったそうです。
「子供に専属コーチだなんて、金持ちの道楽に付き合えるか」と当初は思ったそうです。
なお、見上さんはメキシコオリンピックで銅メダルを取ったときの正Gkだったとのこと。
若林はそんな見上さんに対し「銅メダルということは世界3位か、それもアマチュアの大会で。俺は世界一のコーチと言ったのに」などと言い放ち、唖然とさせます。
見ようによっては嫌なガキです。
しかし、初日の練習を終えたとき、見上さんは「こいつは世界一のGKになるんじゃないか」と、才能を見抜いたとのことでした。

「さん付けで呼べ」と宣言

翌年、5年生にして若林は名門、修哲小サッカー部のレギュラーとなります。
そして、同級生である来生、滝、井沢、高杉らに対し、「さん付けで呼べ」と宣言。
呼び捨てにしたければ、早くレギュラーになれとのこと。
さすがに「なにィ!」と叫ぶ彼らですが、これは若林が素質を感じている彼らに対し、発破をかけたのでした。
事実、彼らはやる気を出します。
そんな中、謙虚な人物がひとり……誰であろう森崎でした。
シュートを次々と止める若林に対し「すごいや、若林さん」と絶賛。
「俺がいる限り、レギュラーになれないぞ。隣の南葛小ならレギュラーになれるかもしれないがな」とまで言われます。
しかし、そこは森崎。
「最高のお手本が近くにいるのだから、俺は若林さんを手本に日本で二番目にうまいGKを目指します」とのことでした。
これがSGGK(スーパーがんばりゴールキーパー)森崎の原点だということです。
日本で二番目というのは、若島津がFWに転向した今は達成できたと言えるのでしょうか?
個人的には中西あたりの方が上のような……
ちなみに、サッカー王国静岡は強豪だらけで、前年の全日本少年サッカー大会優勝はあの志水FCということでした。
見事な後付設定ですね。
後編には川上あたりが登場するのでしょうか。

若林家での特訓

若林の素質に惚れ込んだ見上さんは、GK哲学のすべてを若林につぎ込みます。
「日本では身体の大きいだけの人間がGKになりがちだが世界は違う。チームで一番優れた選手がたったひとつしかないGKというポジションにつくのだ」と伝えます。
そして、「世界一のSGGK(スーパーグレートゴールキーパー)を目指せ」と教えるのでした。
月日が経ち、5年生時に全国制覇を目指す若林は、今の6年よりも5年の来生や滝たちの方がうまいと見抜き、自らの屋敷にある専用グラウンドに彼らを招きます。
高校生3人を交えた練習をするとのことでした。
招かれたのは来生、滝、井沢、高杉、そして森崎です。
来生らは生意気な若林に対し、反発しますが、森崎が説得し、参加させます。
高校生3人と若林の4人のチームに対し、5人は立ち向かいます。
森崎が守るゴールはフットサル用の小さなゴールだというハンデまで付きます。
(フットサルという競技は当時あったのでしょうか?)
しかし、来生たちはまったく若林からゴールを奪えないのでした。

前編はここで終わり。
後編は次号(6月4日発売)とのことでした。

私的感想

漫画のあとにも書かれていたのですが、この漫画で4つの謎が解かれました。
謎1 若林家の歴史。なぜ金持ちなのか。
謎2 見上さんが専属コーチになったきっかけ。若林家の抜群のサッカー環境。
謎3 なぜ、同級生たちがキャプテンだったとはいえ、若林を「さん」付けで呼んでいたのか。
謎4 SGGKという呼称の原点。これまではドイツに行ってからの呼び名だと思われていたが、小学生のときからだった。

この漫画は作者による公式同人誌のようなものかなと思いました。
熱心な読者たちが常々疑問に思っていた謎について、こういう形で説明してくれるなら歓迎です。
それと、ネット上などで愛読者たちが推測していたことをスタッフがよく調べているのかなとも思いました。

面白く読ませていただきました。
ただ、本編に加え、高橋陽一先生の筆によるものですが、先生の身体は大丈夫かなと心配になりました。
こちらは優秀なスタッフに任せた方がいいんじゃないですかね。
キャプテン翼のファンだった若手漫画家がたくさんいると思うのですが……
まあ、とにかく、次回に期待したいですし、若林以外のキャラクターについても深く掘り下げて行ってほしいですね。

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